研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
今回の和漢診療科での1週間の研修では、医学部5年生の学生たちに対する卒前漢方教育の現場を体験する機会をいただきました。学生たちは1週間の漢方臨床実習を通じて、四診の基本と、陰陽虚実を中心とし気血水を含む漢方医学的評価を身につけており、限られた時間でここまでの理解に達していることに感銘を受けました。卒前漢方教育として、一つの理想的な形となっていると感じました。
実習の内容は古典輪読、外来診療実習、病棟回診、講義、症例検討会など多岐にわたっていましたが、その全てを通して、学生に発言を促しその理解度も確かめながらインタラクティブに行われているのが印象的でした。日々のアクティブラーニングを通じて、学生たちが漢方医学になじんでいく様子がよくわかりました。特に、脈診、舌診、腹診を実践し、所見を述べるプロセスは、学生の漢方への学習意欲と理解を深めるのに有用と感じました。
一方で、質の高い教育を実現するために割かれている教官のエフォートは大きく、多大な努力のもとにこの教育が実施されていることもわかりました。現勤務先ですぐに同様のプログラムを行うのは難しいですが、診察体験も通じたインタラクティブな教育で、漢方に馴染みの少ない学生さんでも興味を持ってもらいやすくなることがわかりました。臨床実習時の漢方教育の方法に取り入れていきたいと思います。