研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
会津の漢方を、どうしてもみてみたくて志望しました。以前から会津の先生方のお話を伺う機会があり、その中で特に印象的だったのが『寒がある患者は、まずそこから治す』という考え方でした。特に四逆輩(通脈四逆湯・四逆加人参湯など)に関しては、会津の複数の先生が生き生きと語っており、自分も真寒仮熱の患者を通脈四逆湯で改善させた経験があったため、熱薬の使い方を学んでみたいと思っていました。研修は、たまたま鍼灸の学生が回ってきており、会津流の診察の仕方を一緒に学びました。自分の切診の方法とは若干異なる点が興味深く、今は両方取り入れて診察してみるようにしております。また、足先までくまなく触れて、わずかな寒も逃さない診察スタイルは、学ぶものがありました。特記すべきことは、会津の先生方はお話が大好きで、会話が弾みました。もしかすると、学生や初心者は、目の前で行っていることや、たわいもない普段の話を含め、気さくに話すことによって漢方の世界を楽しんでくれるのではないかと、身を持って体験しました。生薬実習では、桂枝茯苓丸を作りました。慣れないと難しいですが、薬剤師さんはてきぱきと生薬をこね、手さばき鮮やかに丸薬を作っていたことが印象的でした。さて、会津医療センターは只見での芍薬栽培に関与しており、また会津は昔から人参の栽培が有名です。人参は、町で入手したり、食事処で供されており、身近に生薬を感じることができました。そういった意味でも、包括的に漢方を感じられる環境だと思いました。これからの希望者へのアドバイスとして、どのような立場で研修に行かれるかにもよりますが、自分は普段漢方診療をしている立場として思ったことは、患者層が自分の地域(横須賀)と異なることでした。3日間でみた患者は、明らかに寒と湿に侵されている方が多く、熱薬や水毒への対応がされていました。また、入院患者は、複雑な病態であるため、外来とは一味違った診療をみることができました。正直なところ3日間は短かかったのですが、教育に大切だと思う点を考えることができました。本音は、もう少し長居して、患者への処方に関して皆様と議論を尽くせたら、さらに実力が伸びるんだろうなと改めて痛感しました。