研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
■研修志望動機:東洋医学会専門医を取得しておりますが、どのように自分で研鑽をつんでいけばよいか悩んでいたところ、日本漢方医学教育振興財団の研修制度を知り、漢方内科で研修させていただくこととなりました。
■学修内容:古典抄読会、レクチャー、外来陪席、生薬調剤実習と、漢方内科だからこそ学ぶことのできる密度の濃い体験を得ることができました。傷寒論や類聚方広義などの古典を輪読することで、古典に慣れ親しみ、古典をどのように実際の治療に活かしてゆくかを学ぶことができました。レクチャーについては、大学という教育機関ならではの、系統立てられた網羅的な資料をもとに漢方医学を学びなおせたことで、さらに漢方医学についての知識が深まり、今後患者さんや医療者に漢方医学について説明できる自信がついたように思います。そうした知識を元に、入院治療におけるベッドサイドでの診察や外来陪席で実際の診察場面をみて、診察の仕方や処方選択などについてご指導いただくことで、学んだ知識が血肉になる体験を得ることが出来ました。
■成果/感想/今後の取組み:充実した1か月間で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。とても多くの学びがあったため書ききれないのですが、一例を挙げると研修期間中に桂枝二越婢一湯の脈に触れる機会があり、これまで成書で読んでも今一つ理解できていなかったものが、自分の中にスッと入って来たように思いました。これも、熟達した指導医が傍にいて教えて下さったからこそ出来た体験であったと思います。このように患者さんを実際に診て、触れて、証を判断するというプロセスを共有・体験させていただけたことは、大げさでなく、本当に一生の財産になったと思っております。今後は、漢方内科で学んだことを患者さんの診療に活かし、周囲の医療者とも知見を共有することで、地域の漢方医療の発展に貢献していきたいと思います。
■これからの希望者へのアドバイス:総合病院ならではの幅広い層の患者さんに対して生薬を用いながら外来・入院環境で漢方診療を行うことができる環境の中で、漢方医療に精通し教育熱心な先生方から学ぶことができるという、漢方診療を志す人にとって会津医療センター漢方内科は理想的な場所であると思います。漢方診療を学びたい方であれば、初学者から、専門医を取得しているけれどもさらにステップアップしたいという方まで、幅広く受け入れ、ご指導いただけると思います。最後に、当初1か月の研修でお願いしておりましたが、家庭の事情で21日間の研修期間となってしまいました。それにも関わらず、研修日程を私の都合に合わせて調整いただき、最後までご指導いただけましたこと、とても嬉しく思っております。田原教授をはじめ漢方内科の先生方、事務の方々に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。