漢方短期実地研修

漢方医学教育 短期実地研修 支援事業

福島県立医科大学 会津医療センター漢方医学講座

受講者
地域中核病院 小児科            F・Nさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「1~4週間コース」
5日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
■研修志望動機:今まで独学で漢方を学び、内科外来を中心に漢方を活用していましたが、治療が上手くいかなかったときの次の選択肢に困ったり、脈診や腹診など独学では習得困難な内容も多かったため、入院治療・鍼灸治療なども行っている会津医療センターでの研修を希望致しました。
■学修内容:レクチャー、外来陪席、病棟回診見学、カンファレンス参加、朝の勉強会
■成果/感想/今後の取組み:四診のやり方を実臨床を通して教えていただいただけでなく、レクチャーも豊富で診察法及び処方選択など考え方の基礎を学ぶことができたと思います。また、難病指定患者や原因不明の重症患者など西洋医学的にも対応困難な患者のQOLが改善する様子を目の当たりにして、東洋医学の学習意欲が高まりました。
■これからの希望者へのアドバイス:『飯塚漢方カンファレンス』を事前に読んでおくと、レクチャーの内容など理解しやすくなるかと思います。
受講者
私立大学病院 総合診療            K・Sさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「1週間コース」
4日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
■研修志望動機:漢方薬は医師であれば誰でも気軽に処方できてしまうため、自分もなんとなく処方しては効果の有無に一喜一憂する日々であった。そんな現状を打破するべく、これまで漢方医学的な考え方や診察法について体系的かつ実践的に学ぶ機会に恵まれなかったため、実際のエキスパートによる臨床現場を体験したいと考え、研修を志望するに至った。
■学修内容:外来陪席、病棟回診、古典抄読会、指導医によるレクチャー、生薬調剤実習に参加することができた。知識を習得するための抄読会や網羅的なレクチャーに加えて、外来陪席および病棟回診では、指導医から漢方医学的な診察法、特に舌診、脈診、腹診について解説していただきながら、実際に自分でも所見をとり、フィードバックを受けた。また診察所見に合わせた漢方薬の処方についてもレクチャーいただいた。生薬調剤実習では、実物の生薬およびその加工過程を見学させていただき、病院における処方システムについて理解を深めた。
■成果/感想/今後の取組み:4日間という短い期間であったが、日々充実し、非常に大きな学びとなった。特に診察法については、本や動画を見るだけでは十分な学習といえず、実際に専門家が診療を行う現場に陪席しなければ真の学びを得ることはできないため、他に代えがたい有意義な時間となった。自分の漢方診療がいかに盲目的なものであったか理解するきっかけとなったため、これまで自分が処方していた漢方薬の内容を見直し、実際により適切な治療内容に変更していき、効果を実感している。また、今回学んだ内容を自施設の医局員にも共有し、漢方医学のリテラシー向上に貢献していきたい。
■これからの希望者へのアドバイス:濃密なレクチャーに、外来陪席、病棟回診、抄読会など、充実した時間を過ごすことができます。数日という短期間でも、研修したいポイントを絞り、あらかじめお伝えすれば、よきにはからっていただけるかもしれません。それほどスタッフのみなさまは優しく、教育熱心であり、とても素晴らしい環境でした。事前に漢方診療について本を読むなりある程度の勉強をしてから参加するとより理解が深まります。三潴忠道先生の「はじめての漢方診療ノート」は必読必携です。
受講者
公立病院 産科婦人科 科長
M・Iさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「曜日限定コース」
21日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
○研修志望動機:産婦人科の臨床を経験していくうちに西洋医学では診断、治療不可能な症例を経験することが多くなった。患者本人は明らかに”具合が悪い”が検査値では異常が出ない、そのような症例を何とかしたいと思い、漢方医学研修を開始した。○学習内容:外来診療に毎週1回陪席し、診察実技を実習するとともに、証の診断根拠や処方された方剤の理解、類縁方剤との鑑別などを実際の症例から学修している。○成果/感想:診断技能が徐々に身につき、また方剤の選択根拠などの理解も進んでいる。産婦人科の実臨床で漢方学的な診察(四診)で証を決定し処方することが増えてきつつあり、それによって治療可能な症例も経験するようになってきた。○今後の取り組み:診断技術の向上や証を実践からさらに学び、治療選択への理解を深めたい。学会での発表、レポート作成も挑戦したい。方剤の構成生薬の理解を深め、鑑別診断から的確な処方を学びたい。○これからの希望者へのアドバイス:どの科でも患者と向き合えば向き合うほど、教科書的には診断がつかないような、また他科にまたがる症状を経験するのではないでしょうか。それを”全人的に”診断→治療していくのが漢方医学の魅力と感じています。自分の視野や守備範囲を広げ、さらに良い医療を提供できるように、ぜひ一歩を踏み出してください。
受講者
公立大学 医学部 耳鼻科 助教
A・Sさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「2~3日コース」
3日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
 漢方医療を受けた身としてその効果を実感しており、自分の診療に取り入れたく約10年間、講演会や成書を読みながら勉強していましたが、臨床への応用を学ぶために'実地体験を踏まえた見学'を3日間させていただきました。・古典抄読会:朝診療前の30分間、古典を輪読し三潴忠道先生がご自身の体験談も交えて解説してくださいました。抄読会は会津から離れた現在も聴講させていただいております。当初は聞きなじみのない言葉も少しずつ慣れました。・病棟回診・外来見学:腹部診察の体験や三潴先生の腹診手順も間近で見学でき漢方診察の流れを学びました。・調剤:煎じ薬の調剤、漢方薬の服用体験もさせていただきました。味や匂いの違いを実際に体験させていただきました。・鍼灸治療:鍼体験を自他ともに対して行わせてもらい大変貴重でした。・今後:体験させていただいたことを思い出しながら症例に向き合っています。抄読会に今も参加させていただけることは非常にありがたいです。・希望者へのメッセージ:まさに「習うより慣れろ」でした。滞在期間には限りがありますが見学や体験という財産は残ります。また抄読会は場所を問わず参加できるので漢方を学ぶ気持ちが研修後もとぎれません。医師・薬剤師・鍼灸師など他職種で作るチーム医療をされていることにも非常に感銘を受けました。'見学'だけでなく多くの'体験'をさせていただきました。
受講者
国立大学 脳神経外科
S・Kさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「1週間コース」
5日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
毎朝の古典抄読会(傷寒論)に参加し、その後病棟回診へ。入院患者の診察を行い、処方内容を毎日検討。外来陪席時にも指導医とともに実際に患者の診察を行い、四診所見について解説していただく。漢方医学的な考察に基づいた処方内容を知り、そこに各種生薬の分量調整が行われる意図についても説明いただくことで、実臨床でのエキス製剤の相違点を理解することができた。鍼灸治療体験と入院患者への鍼灸治療見学も行い、鍼灸治療による疼痛管理の可能性についても認識することができた。当方が専門とする脳神経外科領域では、病後の四肢のしびれが愁訴となる症例が多く、附子などの温剤を用いて症状緩和に役立てればと思う。また同時に、四診も用いて多面的に病態の改善を図れるように努めたいと思う。
受講者
私立病院 支持医療科
N・Kさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「1週間コース」
4日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
【研修志望動機】煎じ薬まで用いた漢方の臨床現場を見分するため。
【学修内容】① 病棟回診同行(漢方・鍼灸) ② 外来陪席 ③ 古典勉強会 ④ 生薬調剤
【成果/感想】日頃の学習不足を自覚させられた。特に腹診・脈診は先生と同じ所見が取れず、自分の中のものさしを修正する機会になった。柴胡剤の使い方など、自分にはない処方をみて方剤選択の幅が広がった。毎日地道に古典の勉強を積み重ねていることが日常の診療に生きていることが分かった。附子・烏頭を使っている症例が多かったので、煎じ薬+入院施設があれば治せる患者の範囲が増えると感じた。
【今後の取組み】専門医取得に向けて地道に努力します。
【これからの希望者へのアドバイス】「はじめての漢方診療ノート」(第2版)を熟読する。交通の便が悪いので、車で行くことをお勧めします(冬季は四駆)。私は車で行ったため、空いた時間に芍薬畑の見学に行くなど、時間を有効に使えました。
受講者
公立病院 内科
M・Mさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「2~3日コース」
2日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
研修志望動機は、漢方内科、外科の両科がある施設での漢方内科診療に興味があり、希望をしました。
学修内容は、漢方内科・外科の外来・病棟回診での診察、処方、処置の仕方や薬局での湯液作成の仕方に触れることができました。漢方内科・外科、それぞれの外来・病棟回診を見学させて頂き、外来患者と病棟患者の病状の違いを直にみることができました。そこで、各々の患者に対して異なる処方、処置をしていることを知り、特に病棟患者の処方(湯液)の仕方に、関心を持ちました。また、薬局見学では、今まで想像の域だった湯液作りを実際に見学でき、かつ、普段自分が服用している八味地黄丸の実物を見ることができ、大変興味深かったです。
受講者
総合病院 精神科/心療内科
I・Kさん
研修先
福島県立医科大学
会津医療センター附属病院
コース・期間
「3か月間コース」
62日間
研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
漢方医学に必要な身体診察の技術を身に付けることを主目的に研修を申し込みました。腹診や脈診等の技術を独学で身につけることは難しかったのですが、指導医の診察に陪席することで、実際の診察を五感で学びとることができ、更には実際に触診をしながら言葉による的確なコメントを戴くことを通じて、漢方学的な評価の基準を自身の内に形成することができました。また会津医療センターでは病棟診療を行っていることから、日々の回診を通じて証の細やかな変化が起きていることを感じ取ることができましたが、病名診療とは異なる、証に従った治療の必要性とその効能を目の当たりにするとともに、西洋医学と東洋医学の双方がアクセス可能であることの大きな有用性を感じた次第です。
今後は研修を通じて学んだことを自身の診療を通じて患者様に還元していくことはもちろんですが、漢方治療の有効性を周囲の医療者とも共有することで身近なところから漢方治療の裾野を拡げることに努めたいと思いますし、更にはこの度御指導を下さった諸先輩方のように学会発表や論文を通じて発信することもできるようになれればと考えています。
会津医療センターの漢方講座は有床診療を行う数少ない漢方診療部門であり、さらには鍼灸部門をも併設しています。高度な漢方診療の専門性を有する一方で地域医療としての需要にも応え、西洋医学への造詣を背景に持ちながら西洋医学と協働して患者様にとって最善の医療を提供するという本院での日常臨床を通じて、私たちは現代における漢方診療について多くの学びを得ることができるはずです。