弘前大学医学部附属病院検査部助教(診療講師)
私の漢方との出会いは、富山県高岡です。幼少時の夏休みは、お墓参りに母が育った祖母の実家(高岡)に泊まっていました。確かおなかが痛くなったとき、漢方薬?をもらい、頭が痛いときは合谷を押しました。“一日一個で医者いらず”といいますが、青森県で生まれ育ったのでりんごをよく食べます。夏は紫蘇ジュース、冬は体が温まる生姜味噌で大根をたべ、と医食同源という発想も身近でした。
医学科4年の研究室研修で皮膚科に配属、卒後直ちに入局、皮膚科専門医・医学博士取得、助教を務めましたが、息子の妊娠に伴い退職、夫の実家で育児に専念しました。夫の留学に伴い渡米、当時慶應大から留学されていた山上淳先生のご高配で、Department of Dermatology-Division of Dermatopathology, University of Pennsylvaniaで研修致しました。帰国後、医員で復職、皮膚科の外来で漢方を希望する患者様がおられたことがきっかけで、新谷哲一先生に師事。弘前漢方勉強会や天野惠子先生の「女性医師のための漢方スキルアップセミナー」に参加し、故木下優子先生はじめ素晴らしい講師陣から、漢方を“女セミ”の皆様と楽しく学びました。
2016年漢方がコアカリキュラムに採用され、日本医師会女性医師バンク経由で2016年4月検査(萱場広之前検査部長)の助教に採用頂きました。私は和漢学(医4)や弘前漢方勉強会の講義担当になり青森県支部の皆様のご協力で腹診実習を行いました。福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座:三潴忠道先生に師事、指導医を取得された坪敏仁先生が、弘前漢方勉強会 代表世話人:横山良仁教授のご尽力、麻酔科外来医長:木村太先生のご高配で、漢方外来(水曜:午前)で専攻医の指導を開始されました。私も指導医を取得でき、澤村大輔前教授が専攻医:野田浩先生、佐藤博彦先生の皮膚科外来での研修を許可下さいました。
コロナ禍、腹診実習を中断しましたが、2022年度漢方医学教育研究助成を頂き、矢久保修嗣先生と馬場正樹先生から腹診シミュレーター、伊藤亜希先生から漢方eラーニングをご高配頂き、腹診実習を再開しました。WEBが浸透し、地方にいても伊藤 隆先生の勉強会にWEBで参加し、学べて有難いです。コロナ禍は検査部所属の臨床検査専門医のためか本院のICDも務めており、臨床研究:軽症・中等症のCOVID-19患者(疑い含む)に対する西洋薬、漢方薬治療による症状緩和、重症化抑制に関する多施設共同、後ろ向き観察研究(臨床研究登録:UMIN000041301)に参加でき、高山 真先生に感謝しております。
第74回日本東洋医学会学術総会の懇親会で、会頭:三谷 和男先生はじめ皆様と、「漢方があるさ♪」と歌いながら、漢方の重要性をもっと発信しようと思いました。周りの方々のご支援ご協力で、漢方教育や診療を続けることができ、感謝しております。本院の責任指導医を拝命しており、漢方医学教育を推進し、漢方の重要性を発信するために臨床研究に積極的に参加し、漢方の発展に貢献できるよう精進しますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。