当財団は、日本の伝統医療である漢方医学の普及・定着・発展を奨励し、医学教育関連事業を通じ、日本におけるこれからの「良き医療」を提供できる社会貢献活動に寄与することを目的に創立されました。
漢方医学の教育については、2001年3月に文部科学省から公表された「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の中で初めて『和漢薬を概説できる』という記載がなされ、その後2011年3月には『和漢薬、漢方薬の特徴や使用の現状について概説できる』と改訂(*)され、日本の医学教育における卒業までの到達目標として、漢方に関する知識の習得が示されました。
現在、医学教育モデル・コア・カリキュラムに即して、すべての大学医学部で漢方医学教育を実施するにいたりました。さらに8割以上の大学で8コマ以上を必修とし、漢方臨床実習や学内での教員育成の仕組みを持っている大学が加速度的に増えてまいりましたが、漢方医学の教育基盤はまだ発展途上にあると思われます。
当財団では、医学教育に関する情報発信ならびに、医学教育研究者に対する研究助成、学会や業界団体など外部との意見交換、大学医学教育のニーズに沿ったテーマに対応する研究支援活動などの事業を活動の軸とし、広く且つより高い見識のもと、「良き医療」の実現に貢献したいと願っております。
当財団評議員・役員一同、責務を重く受け止め、全力を尽くす所存でございます。
皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2017年4月吉日
一般財団法人 日本漢方医学教育振興財団
役員一同
*注記 2017年3月公表:医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂版では
「漢方医学の特徴や、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用を概説できる」と改訂