漢方医学教育研究助成・研究業績<採択交付者一覧>

2018年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2018年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:6件/14件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「iOSアプリを利用した重要処方および漢方診断推論学習法の開発」 三重大学附属病院
漢方外来(麻酔科)
助教
高村 光幸
西洋医学では、経験豊富な臨床医の診断思考プロセスを学習させる「診断推論」の方法論が議論されてきた。漢方医学においても、この「診断推論」の考えを漢方教育に応用することで、医学生や研修医においても証の認識が可能になると考えられる。そのため、エキス化されている頻用重要処方と、分析的推論に用いる基本的な診断方法の重要項目を、日本東洋医学会編纂の出版物等を元に選定し、これらに直結した思考プロセスを学ばせる教育方法として、短時間に繰り返し利用でき、効率的で好奇心をそそるような、iOSを用いた端末(iPadやiPhone)における漢方診断推論学習フォーマットとしてのアプリ作成を試みたいと考える。
2 「漢方Problem Based Learning(PBL)を基にした学術発表により得られる 医学生の学び」 東北大学病院
総合地域医療教育支援部・漢方内科
准教授
高山 真
漢方 Problem Based Learning(PBL)を実践し教育効果を明らかにするとともに、内容を発展させて学術発表につなげ、その経験がもたらす学びを明らかにする。1年目は医学部 2年次のPBLに漢方も参画し漢方PBLを実施し、アンケートにより意識変化と教育効果を明らかにする。2年目は発表内容を発展させ学術総会等での学生発表につなげ、継続的に論文作成を支援し学術誌に投稿する。最後に一連の経験から得られた学びを医学生にインタビューしまとめる。本研究により医学教育に漢方PBLという一つの教育方法を提示する。さらに学生時代の発表や論文投稿の経験は、漢方に関する研究探求心の涵養に寄与することを示す。
3 「体験型漢方実習の教育効果:質問紙法による検証」 群馬大学大学院
医学系研究科 総合医療学
講師
佐藤 浩子
漢方は学生が学習する上で、分かりにくいと捉えられることが多い。聞きなれない漢⽅用語の羅列はあたかも異言語のように受け取られる。本学では、分かりにくい漢⽅ を、医学生に分かりやすく習得させるため、ロールプレイ、TBLなどの体験型教育を行っている。このような体験型教育の教育効果を検証するため、以下を検討する。①実 習後の漢⽅理解度が向上したか、実習前後のテストで評価する。②「将来漢⽅を勉強したい」、あるいは「将来、日常診療において漢⽅も治療手段の一つと考えられる」な ど、「群馬大学で受けた漢⽅医学教育により、漢⽅への関心が変容したかどうか」を評価するため、質問紙を作成し、統計学的に検証する。
4 「医学、歯学、看護学で連携した漢方教育カリキュラムの開発」 鹿児島大学
医歯学総合研究科 国際島嶼医療学
講師
網谷 真理恵
医学教育モデル・コア・カリキュラムに漢方教育が導入され、国内全ての医学科において漢方教育は実施されるようになった。一方で、歯学、看護学のモデル・コア・カリキュラムにも和漢薬について記載され、歯学部や看護学においても漢方教育カリキュラムが求められている。そのため、漢方医学の指導にあたり、医学部、歯学部、保健学科の連携した体制が必要となる。本研究では、医学部、歯学部、保健学科の漢方教育の現状およびニーズを調査する。調査データを用いカリキュラムに反映させることで、少ない指導者でも効果的な指導ができ、さらに他教育施設でも実践可能な連携カリキュラムを構築することを目的とする。
5 「横浜市立大学初期研修医を対象にした、漢方e-learningの活用による、漢方・東洋医学の教育効果・有効性の検討」 横浜市立大学
医学部循環器・腎臓・高血圧内科学 
准教授
石上 友章
初期臨床研修病院である公立大学法人横浜市立大学附属病院において、『漢方・東洋医学』e-learning教材を用いて、初期臨床研修医を対象に『漢方・東洋医学』教育の機会を提供する。研修医には、e-learning教材に自由にアクセスし閲覧する権限を付与する。『漢方・東洋医学』e-learning教材の提供前後に、アンケート調査を行い、理解度問題正答率などを比較検討するとともに、病院のDPCデータ・処方箋データの変化を比較検討し、『漢方・東洋医学』e-learning教材の、初期臨床研修医教育における有効性と限界を明らかにし、さらにはその解決法を検討する。
6 「アクティブラーニングを利用した授業での効果的な指導法の確立―反転授業を利用した学生のタイプ別の漢方の理解度および興味喚起の阻害因子の検討」 千葉大学
大学院 医学研究院 和漢診療学
准教授
並木 隆雄
アクティブラーニングは、受け身の教育ではなく学生が主体性をもった教育であるため、医学部生学習には最適な学習法の一つと考えられる。2018 年実施した授業で指定コンテンツ の修了群44名、未修了群が40名で、e-learning中の試験の成績を比較した結果、未修了群で修了群と比較し1回終了後の成績不良(7点満点 6.50 vs 5.79)。修了者は2回目も知識定着の伸び悩みを認めた(6.50 vs 6.69)。反転授業のメリットを伸ばし、教師のスキルを向上させるための課題の抽出とその効果の検証をする。即ち、漢方に対する興味度または他の因子で学生のタイプを�ェけ、どのような工夫や方法が最適な方法かを検討する。さらに2年目は、それらの教育を授業に取り入れて検証する。
グループ研究助成:2件/2件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「薬理学ロールプレイを活用した漢方医学教育の試み」 宮崎大学
医学部看護学科 臨床薬理学
教授
柳田 俊彦
本研究は、実践的な薬物治療のアクティブラーニング『薬理学ロールプレイ』を漢⽅医学教育に活⽤し、その有効性を検討する試みである。本研究では、教育的に様々なバックグラウンドを有する国公私⽴の医学部8⼤学(全国医学部の10分の1モデル)において、共通プログラムとして漢⽅薬の症例を⽤いた『薬理学ロールプレイ』を実施し、その有効性を検討する。対象となる医学⽣は、各⼤学のカリキュラムに準じて、学年や受けている漢⽅教育も様々であるが、その状況を分析しつつ、どのような事前学習を組み合わせることで有効性が上がるかについても合わせて検討する。
2 「漢方医学教育向上のためのより効果的な腹診シミュレータ活用法」 明治薬科大学
臨床漢方研究室
教授
矢久保 修嗣
漢方医学における腹診は近代西洋医学的な腹部診察と異なるユニーク診察法であり、学生の漢方医学に対する興味を惹起し、学習のモチベーションを高める可能性は大きい。漢方医学教育の現場では、腹診シミュレータを大学の教員が活用し、教育の質の向上を望む声も多い。本研究では、腹診シミュレータ使用の実態を調査し、この教育方法に関して『腹診シミュレータ教育マニュアル』の作成を検討する。この教育を教員に研修会などで指導するなかで、各施設に即したマニュアルに改訂し教育システムを推進していく。本研究により大学における腹診シミュレータを活用した実習が充実することは、医学生の漢方医学教育に対する興味の増幅や理解を深めるばかりでなく、今後の漢方医学教育の向上と標準化に貢献できるものと確信している。


2017年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2017年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:5件/22件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「凡用性の高い効果的な漢方医学モデル授業の開発研究」 九州大学大学院
医学研究院 地域医療教育ユニット
准教授
貝沼 茂三郎
2 「アクティブラーニングを取り入れた漢方医学教育」 信州大学医学部附属病院
信州がんセンター緩和部門
教授
間宮 敬子
3 「臨床推論の手法を応用した漢方教育法の開発、学生・初学者を対象とした漢方処方選択及び、学習ツールの確立」 東海大学
医学部 専門診療学系漢方医学
講師
中田 佳延
4 「医学部・薬学部学生によるPBL課題作成を通じた協同的学習プログラムの創出と漢方医学教育の再定義」 日本医科大学
医学教育センター
教授
藤倉 輝道
5 「漢方医学的病態診断の修得を目的としたトレーニングモジュールの確立」 富山大学大学院
医学薬学研究部 和漢診療学講座
助教(診療講師)
野上 達也
グループ研究助成:2件/3件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「漢方教育におけるWeb評価システムの開発」 広島大学
総合内科・総合診療科
教授
田妻 進
2 「大学での漢方医学教育におけるeラーニングを用いた反転授業の検証」 地方独立行政法人
神奈川県立産業技術総合研究所
人材育成部
特任研究員
伊藤 亜希