漢方医学教育研究助成・研究業績<採択交付者一覧>

2021年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2021年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:3件/7件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「がん支持医療におけるエビデンスに基づいた漢方活用の教育コンテンツ作成と実 践」 岡山大学病院
血液・腫瘍内科
助教
西森 久和
2020年11月に日本がんサポーティブケア学会より「がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド」が発刊され、がん支持医療における漢方活用の大きな流れが学会とし て示されたことを背景に、早急な医学教育への導入が必要である。本研究では、医学部の「腫瘍学」の講義における漢方活用の教育コンテンツを作成すること、臨床実習で の学生との対面議論で「がん支持療法」を取り上げて漢方の役割を明示する資料を作成すること、そして臨床研修において漢方活用の実践を指導するためのFDコンテンツ を作成することで、シームレスな教育と適切な実践を実現する。
2 「漢方講義テキストを用いたチュートリアル漢方教育の設計と知識 定着における検証」 東京大学大学院
医学系研究科老年病学
准教授
小川 純人
漢方医学の教育においてはモデルコアカリキュラムに漢方医学の記載はあるものの、これまで決まった共通のテキストもなく各大学独自の教育が実施されているのが現状で ある。そこで今回我々は、老年病学のチュートリアル教育の中で、2020年12月に出版された”基本がわかる漢方医学講義”のテキスト(日本漢方医学教育協議会編集/株式会 社羊土社発行)を用いて学生に漢方医学教育を実際に行い、知識定着度・漢方医学への興味の変化・テキストだけでは不十分と感じる内容等、その教育効果を検証すること を目的として計画した。
3 「ゲーミフィケーションを利用した漢方医学教育」 奈良県立医科大学
教育開発センター
准教授
若月 幸平
医学科4年を対象とした東洋医学(漢方医学)コースの授業の一部をアクティブラーニング型授業(反転授業を主体とした)とし,学生の主体的な学習を引き出す手段とし てゲーミフィケーションを利用した授業設計を行う.授業を実施する際には,漢方に対する知識,印象,感想などが確認できるようなアンケートを授業の前後で実施し,学 生の漢方医学に対する知識や意識の変化を確認する.また,漢方を学ぶための15分程度のオンデマンド動画教材を作成し,反転授業の事前学習教材としても活用する.5年 もしくは6年次の臨床実習では,実習の一部でゲーミフィケーションによる漢方を題材としたCase-based Lecture (CBL) で実施し,実臨床での漢方の使用を議論する.
グループ研究助成:2件/2件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「漢方医学教育における舌診の習得のためのプログラム構築」 広島大学病院
総合診療科
助教
河原 章浩
漢方医学診察は、診断に必要な情報を得るために必要である。しかしその習得は比較的難しく、経験を積んだ漢方医の外来に陪席が必要である。漢方医学診察に習熟した医 師が不在の施設では、研修医や医学生が身に着けることは難しい。また、COVID-19パンデミックにより、実習が困難となっている。ここで、舌診は、患者さんに触れるこ となく得られる情報であるうえに、色情報と形態を観察するため、ある程度はパターンを学習することができる。本研究では、患者さんの舌画像を収集することによって、 深層学習をし、経験を積んだ漢方医の診断との相関を解析し、基本的な舌診の診断を決定できるようにし、舌診を習得できるシステムを構築する。
2 「アクティブラーニングによる症例検討モデル授業ガイド開発研究」 富山大学附属病院
和漢診療科
特命教授
貝沼 茂三郎
本研究では、これまでの我々の漢方医学教育の経験と実績を発展させて、医学教育学の知見を活用しながらアクティブラーニングによる双方向の症例検討モデル授業ガイド 開発研究をすることである。少人数によるアクティブラーニング形式による双方向の症例検討会の良い点としては学生の理解度を見ながら検討会をすすめることができる が、その分教員の漢方医学に関する理解の深さが求められる。そこで我々がこれまで行ってきたアクティブラーニングによる双方向による症例検討から教員向けのモデル授 業ガイドを作成し、それらを実践してもらうことでその有用性について検証する。


2020年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2020年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:4件/7件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「バーチャルリアリティ技術を応用した腹診学習コンテンツの作成と実践」 東海大学医学部
専門診療学系漢方医学
准教授
野上 達也
漢方医学の教育において、腹診の知識・技術を学習することは非常に重要である。これまで学生や研修医などの初学者が腹診を修得する方法として、実際の患者の診察を経 験する以外には、腹診シミュレーターを用いるなどの方法がこれまでは行われてきたが、シミュレーターのコストなどいくつかの問題があり十分に普及していないのが実情 である。そこで今回我々は、近年発達の著しいバーチャルリアリティ(VR)の技術を用いて、仮想現実空間の中で模擬患者を診察し、特に腹診についてVR用触覚デバイス (GeoMagic TouchやEXOSなど)を応用して学習できるコンテンツを作成し、それを用いた教育を実際に学生や研修医に行い、その教育効果を検証することを計画した。
2 「クラウド型教育支援サービスによる均一化された漢方教育の拡充」 旭川医科大学
産婦人科
教授
加藤 育民
医学の進歩に伴い⻄洋医学の学習範囲が多様化する中で、漢方教育に十分な時間が確保できないのが現状である。教育者である専門医や指導医も限られており、広範な学習 者を賄うことは困難である。漢方治療の必要性を認識した医師からも学習機会の確保が望まれているが、漢方教育の機会を得ることは地方在住であるほど困難となる。 本研究では、クラウド型教育支援サービスとハンズオン学習を併用することで、医学生の講義・実習の機会不足を補うのみならず、北海道の東洋医学会指定研修施設として 医師等の医療スタッフに対しても漢方教育の均一化と機会の拡充をはかる。本研究の成果は、今後の漢方医学教育の向上と標準化につながるものである。
3 「漢方医学に対する多職種連携教育システムの構築」 大阪医科大学
医学教育センター
講師(副センタ―⻑)
駒澤 伸泰
漢方薬処方において、⻄洋医薬との併用、食事内容との相互作用、内服時の生活注意点など多視点からの注意が必要である。ゆえに、効果的かつ安全な薬剤医療安全には、 医師・薬剤師・看護師を始めとする多職種協働が必須である。漢方医学の多職種協働が期待されているが、必ずしも円滑には進んでいない。漢方医学における多職種協働に は、その基盤となる適切な多職種連携教育が必要である。 漢方薬は⻄洋薬と併用して処方されることも多く、効果と安全性、危機管理に関する網羅的教育をProblem-based learning and discussionやシミュレーターを用いて構築 する。低学年から高学年に至る段階的な漢方医学多職種連携教育システム構築と全国的な普及を目指す。
4 「医学部学生用動画教材の作製とそれを用いた多学部合同実習の設計」 岩手医科大学医学部医学教育学講座
医学教育学分野
特任講師
相澤 純
本学医学部における漢方医学教育拡充のため、すみやかに実行可能で効果的な方法として、動画を用いた教材を作製する。日本漢方医学教育協議会が作成した教育プログラ ムをもとに、15分の動画と5分の演習を組み合わせ、90分4回の授業で学修できる教材とする。講師は、本学と関係がある漢方専門医に依頼する。作成した教材は、医学教 育学講座の講義内で使用し、評価と改善を行う。 更に、医、歯、薬、看護の各学部から選抜した学生に対し、症例ベースのグループ実習を設計し、試行する。その際、事前学習課題として上 記医学部講義用教材を用い、他学部学生への汎用性を確認する。実習実施後に効果と問題点を精査し、正課化にむけた検討を行う。
グループ研究助成:2件/3件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「Web投票を活用した舌画像データベースによる標準化舌診自己学習」 山口大学医学部附属病院
漢方診療部
准教授
瀬川 誠
舌診は漢方的病態を判断する重要な診断手法であるが、初学者にとってその診断技術の習得は容易ではない。その理由は客観化された舌診所見の診断基準が存在せず、舌診 の教育手法が標準化されていないためである。そのため、初学者が漢方医学を学ぶ上での負担となっている。 本研究は、複数の大学教育機関が連携して属性が客観的評価された舌画像を用いる舌診断学習システム(e-ラーニングシステム)の開発を行い、標準化された舌診教育の実 施を目指す研究である。情報通信技術(ICT)を活用することで、時間や場所を選ばずに学習できるため、漢方教育の標準化と普及に貢献ができることが期待される。
2 「医学生を対象とした漢方医学教育入門編の開発と検証」 神奈川県立産業技術総合研究所
特任研究員
伊藤 亜希
COVID-19により世界中で対面式授業からOnline授業に移行している。Online授業では視聴のみの受動的な授業に終わらせない工夫が必要とされ、今まで以上に反転授業や 協調学習などが効果的といわれている。Online授業における不満として学生はWeb教材の分かりにくさや課題の多さをあげている。特に漢方医学は用語が分かりにくいとさ れる。そこで我々はこれまでに実施した反転授業の検証から、分かりやすさを重視するためデジタルネイティブ世代といわれる学生目線を視野に入れた双方向性非同期型e ラーニングを新規に開発する。その上で、授業で完結できるような双方向性同期型Online授業の検証を実施する。


2019年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2019年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:6件/12件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「専門医の経験知に基づくVR漢方医学的診察教材の開発と検証」 富山大学大学院
医学薬学研究部成人看護学I
准教授
山田 理絵
漢方医学的診察は専門医の経験知に依拠する。専門医は経験知に基づき的確な診察を行うが、経験知の浅い者は有害事象や服薬アドヒアランスの低下をもたらす。本研究は、専門医の経験知に基づく診察方法を可視化し、VR漢方医学的診察教材の開発と検証を行うことで、医学生の診察能力の向上を目的とする。初年度は診察方法の可視化にあたり、模擬患者診察時の1専門医の視線計測、2診察場面の観察、3診察後に面接を行う。次年度は可視化した診察方法を基にVR教材を開発する。また、医学生を介入群と対照群の2群に割り付け、介入群は開発したVR教材を視聴、対照群は従来の漢方診療の映像教材を視聴し、介入前後で専門医2名が医学生の診察能力を検討する。
2 「症候別アルゴリズムを用いた漢方医学教育ツールの開発」 筑波大学
医学医療系
教授
前野 哲博
日常よく遭遇する症候・病態について、コンピュータやスマートフォンの画面に表示された質問に沿って情報を入力することで、短時間でファーストチョイスの方剤を 表示する教育ツールを開発する。忙しい臨床の中ですばやく適切な漢方方剤の選択が可能となることで、初学者が診療に漢方を取り入れるハードルを下げることができ る。また、各画面には解説欄を設け、治療目標、構成生薬、セカンドチョイスなどの情報を表示するので、ベッドサイドで繰り返し使うたびに、実際の診療と結びつけ ながら体系的な知識を修得できる。開発した教育ツールは、インターネット上で広く公開するとともに、使用前後にアンケート調査を行い、その教育効果を検証する。
3 「女性ヘルスケアを対象とした漢方卒後教育カリキュラム作成」 近畿大学
東洋医学研究所
所長・教授
武田 卓
女性は一生のなかで月経・妊娠・更年期といった、劇的な内分泌環境の変化をとげ、男性と比較して心身の不調が多く、女性活躍促進のうえでも適切な対応が必要であ る。産婦人科は古くから女性不定愁訴等に対して、漢方治療を多用してきた診療科といえる。初期研修医制度において産婦人科研修が必修化された。このことは、ホル モン剤と違い漢方薬は臨床各科で容易に処方可能であることから、将来の女性ヘルスケアにおける漢方治療習得の絶好の機会と考えられる。そこで、臨床研修指定病院 所属の産婦人科医へのアンケート調査をもとに、漢方卒後教育カリキュラムを作成し、産婦人科研修時の初期研修医を対象に教育を行い、その有効性を評価する。
4 「東洋医学サークル学生が主体となるアクティブラーニングを用いた漢方医学教育 法の開発」 大分大学医学部
医学教育センター
教授
中川 幹子
本学の医学生の漢方サークル「東洋医学研究会」は指導者のもと、学内外で勉強会を開催し、独自に作成したテキストを用いて学生間の屋根瓦式教育を実践している。 本研究では、現在4年次生対象の東洋医学講義(11コマ)の内、2コマの授業を東洋医学研究会の学生に企画担当させ、腹診シミュレーターや鍼灸の実技等のアクティブ ラーニングの手法を取り入れて実施するカリキュラムを新たに構築する。講義前後で学生アンケートを実施し、試験結果とも対比しながら、学生自身による東洋医学教 育の効果について検討する。
5 「臨床研修医コミュニケーション能力に対する漢方医学研修の効果」 金沢大学附属病院
漢方医学科
特任准教授
小川 恵子
漢方医学的概念を学ぶことによって現代医学とは異なった視点で患者さんを理解できる。漢方医学的診察では、望診で顔色や動作から、聞診で声の大きさや質などか ら、病態を推察する。問診では傾聴を重視し、切診では診察と同時に非言語的コミュニケーションを図る。以上より、漢方医学臨床実習によってコミュニケーション能 力が向上すると経験的に言われているが、検証は十分でない。そこで本研究では、漢方医学研修が初期臨床研修医のコミュニケーション能力に及ぼす影響を検討するた めに、金沢大学附属病院漢方医学科で臨床実習した初期研修医を対象に、研修前後に、研修医自己評価アンケートと、患者満足度調査を行い、比較検討することを目的 とする。
6 「漢方薬の薬理学的特性を理解するための学生実習の構築」 杏林大学
医学部薬理学教室
教授
櫻井 裕之
医学生への漢方医学教育に漢方薬の薬理的な特徴を実体験させるプログラムは未だ開発されていない。本申請では、医学部や薬学部の薬理学実習で広く行われている横 紋筋や平滑筋の収縮を評価する実験系に筋肉弛緩作用が知られている芍薬甘草湯を適用し、その効果を、筋肉の収縮を抑制する西洋薬であるアトロピンなどと比較する ことにより、漢方薬が現代医学の薬理学により評価できることを実体験させる実習システムの構築を目指す。芍薬、甘草、そして芍薬甘草湯、それぞれの効果から、複 数成分の足し合わせで薬効を出すという漢方薬の作用メカニズムが理解でき、漢方薬にプラセボを超えた真の薬効があることが実感できるであろう。
グループ研究助成:1件/4件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「病院間連携による卒後漢方教育へのe-learningの導入」 東海大学医学部
専門診療学系漢方医学
教授
新井 信
本研究の目的は、神奈川県4大学医学部FDフォーラムで、小規模な臨床研修病院でも実施可能な卒後漢方教育システムを開発し、評価することである。方法は、初期研 修で学ぶべき10処方を選定した後、音声ガイドのついた処方解説、臨床症例、確認問題をコンテンツとして、1処方を約10分で受講できるスライドを作成し、漢方e- learningの教材とする。これを学習管理システムを用いてWeb上で限定公開し、神奈川県内で卒後教育に病院間連携を導入している組織の教育プログラムに試験的に組 み込む。対象は卒後1、2年目の研修医で、e-learning修了後に総括的な講義、確認用の演習問題、模擬患者の診察実習などを実施する。評価は、学習者へのアンケート と演習結果で行う。


2018年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2018年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:6件/14件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「iOSアプリを利用した重要処方および漢方診断推論学習法の開発」 三重大学附属病院
漢方外来(麻酔科)
助教
高村 光幸
西洋医学では、経験豊富な臨床医の診断思考プロセスを学習させる「診断推論」の方法論が議論されてきた。漢方医学においても、この「診断推論」の考えを漢方教育に応用することで、医学生や研修医においても証の認識が可能になると考えられる。そのため、エキス化されている頻用重要処方と、分析的推論に用いる基本的な診断方法の重要項目を、日本東洋医学会編纂の出版物等を元に選定し、これらに直結した思考プロセスを学ばせる教育方法として、短時間に繰り返し利用でき、効率的で好奇心をそそるような、iOSを用いた端末(iPadやiPhone)における漢方診断推論学習フォーマットとしてのアプリ作成を試みたいと考える。
2 「漢方Problem Based Learning(PBL)を基にした学術発表により得られる 医学生の学び」 東北大学病院
総合地域医療教育支援部・漢方内科
准教授
高山 真
漢方 Problem Based Learning(PBL)を実践し教育効果を明らかにするとともに、内容を発展させて学術発表につなげ、その経験がもたらす学びを明らかにする。1年目は医学部 2年次のPBLに漢方も参画し漢方PBLを実施し、アンケートにより意識変化と教育効果を明らかにする。2年目は発表内容を発展させ学術総会等での学生発表につなげ、継続的に論文作成を支援し学術誌に投稿する。最後に一連の経験から得られた学びを医学生にインタビューしまとめる。本研究により医学教育に漢方PBLという一つの教育方法を提示する。さらに学生時代の発表や論文投稿の経験は、漢方に関する研究探求心の涵養に寄与することを示す。
3 「体験型漢方実習の教育効果:質問紙法による検証」 群馬大学大学院
医学系研究科 総合医療学
講師
佐藤 浩子
漢方は学生が学習する上で、分かりにくいと捉えられることが多い。聞きなれない漢⽅用語の羅列はあたかも異言語のように受け取られる。本学では、分かりにくい漢⽅ を、医学生に分かりやすく習得させるため、ロールプレイ、TBLなどの体験型教育を行っている。このような体験型教育の教育効果を検証するため、以下を検討する。①実 習後の漢⽅理解度が向上したか、実習前後のテストで評価する。②「将来漢⽅を勉強したい」、あるいは「将来、日常診療において漢⽅も治療手段の一つと考えられる」な ど、「群馬大学で受けた漢⽅医学教育により、漢⽅への関心が変容したかどうか」を評価するため、質問紙を作成し、統計学的に検証する。
4 「医学、歯学、看護学で連携した漢方教育カリキュラムの開発」 鹿児島大学
医歯学総合研究科 国際島嶼医療学
講師
網谷 真理恵
医学教育モデル・コア・カリキュラムに漢方教育が導入され、国内全ての医学科において漢方教育は実施されるようになった。一方で、歯学、看護学のモデル・コア・カリキュラムにも和漢薬について記載され、歯学部や看護学においても漢方教育カリキュラムが求められている。そのため、漢方医学の指導にあたり、医学部、歯学部、保健学科の連携した体制が必要となる。本研究では、医学部、歯学部、保健学科の漢方教育の現状およびニーズを調査する。調査データを用いカリキュラムに反映させることで、少ない指導者でも効果的な指導ができ、さらに他教育施設でも実践可能な連携カリキュラムを構築することを目的とする。
5 「横浜市立大学初期研修医を対象にした、漢方e-learningの活用による、漢方・東洋医学の教育効果・有効性の検討」 横浜市立大学
医学部循環器・腎臓・高血圧内科学 
准教授
石上 友章
初期臨床研修病院である公立大学法人横浜市立大学附属病院において、『漢方・東洋医学』e-learning教材を用いて、初期臨床研修医を対象に『漢方・東洋医学』教育の機会を提供する。研修医には、e-learning教材に自由にアクセスし閲覧する権限を付与する。『漢方・東洋医学』e-learning教材の提供前後に、アンケート調査を行い、理解度問題正答率などを比較検討するとともに、病院のDPCデータ・処方箋データの変化を比較検討し、『漢方・東洋医学』e-learning教材の、初期臨床研修医教育における有効性と限界を明らかにし、さらにはその解決法を検討する。
6 「アクティブラーニングを利用した授業での効果的な指導法の確立―反転授業を利用した学生のタイプ別の漢方の理解度および興味喚起の阻害因子の検討」 千葉大学
大学院 医学研究院 和漢診療学
准教授
並木 隆雄
アクティブラーニングは、受け身の教育ではなく学生が主体性をもった教育であるため、医学部生学習には最適な学習法の一つと考えられる。2018 年実施した授業で指定コンテンツ の修了群44名、未修了群が40名で、e-learning中の試験の成績を比較した結果、未修了群で修了群と比較し1回終了後の成績不良(7点満点 6.50 vs 5.79)。修了者は2回目も知識定着の伸び悩みを認めた(6.50 vs 6.69)。反転授業のメリットを伸ばし、教師のスキルを向上させるための課題の抽出とその効果の検証をする。即ち、漢方に対する興味度または他の因子で学生のタイプを�ェけ、どのような工夫や方法が最適な方法かを検討する。さらに2年目は、それらの教育を授業に取り入れて検証する。
グループ研究助成:2件/2件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「薬理学ロールプレイを活用した漢方医学教育の試み」 宮崎大学
医学部看護学科 臨床薬理学
教授
柳田 俊彦
本研究は、実践的な薬物治療のアクティブラーニング『薬理学ロールプレイ』を漢⽅医学教育に活⽤し、その有効性を検討する試みである。本研究では、教育的に様々なバックグラウンドを有する国公私⽴の医学部8⼤学(全国医学部の10分の1モデル)において、共通プログラムとして漢⽅薬の症例を⽤いた『薬理学ロールプレイ』を実施し、その有効性を検討する。対象となる医学⽣は、各⼤学のカリキュラムに準じて、学年や受けている漢⽅教育も様々であるが、その状況を分析しつつ、どのような事前学習を組み合わせることで有効性が上がるかについても合わせて検討する。
2 「漢方医学教育向上のためのより効果的な腹診シミュレータ活用法」 明治薬科大学
臨床漢方研究室
教授
矢久保 修嗣
漢方医学における腹診は近代西洋医学的な腹部診察と異なるユニーク診察法であり、学生の漢方医学に対する興味を惹起し、学習のモチベーションを高める可能性は大きい。漢方医学教育の現場では、腹診シミュレータを大学の教員が活用し、教育の質の向上を望む声も多い。本研究では、腹診シミュレータ使用の実態を調査し、この教育方法に関して『腹診シミュレータ教育マニュアル』の作成を検討する。この教育を教員に研修会などで指導するなかで、各施設に即したマニュアルに改訂し教育システムを推進していく。本研究により大学における腹診シミュレータを活用した実習が充実することは、医学生の漢方医学教育に対する興味の増幅や理解を深めるばかりでなく、今後の漢方医学教育の向上と標準化に貢献できるものと確信している。


2017年度「漢方医学教育研究助成」 採択決定者一覧

2017年度「漢方医学教育研究助成」採択決定者一覧
一般研究助成:5件/22件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「凡用性の高い効果的な漢方医学モデル授業の開発研究」 九州大学大学院
医学研究院 地域医療教育ユニット
准教授
貝沼 茂三郎
2 「アクティブラーニングを取り入れた漢方医学教育」 信州大学医学部附属病院
信州がんセンター緩和部門
教授
間宮 敬子
3 「臨床推論の手法を応用した漢方教育法の開発、学生・初学者を対象とした漢方処方選択及び、学習ツールの確立」 東海大学
医学部 専門診療学系漢方医学
講師
中田 佳延
4 「医学部・薬学部学生によるPBL課題作成を通じた協同的学習プログラムの創出と漢方医学教育の再定義」 日本医科大学
医学教育センター
教授
藤倉 輝道
5 「漢方医学的病態診断の修得を目的としたトレーニングモジュールの確立」 富山大学大学院
医学薬学研究部 和漢診療学講座
助教(診療講師)
野上 達也
グループ研究助成:2件/3件
No. 研究題目 施設名・所属(役職) 申請者(代表)
研究要旨
1 「漢方教育におけるWeb評価システムの開発」 広島大学
総合内科・総合診療科
教授
田妻 進
2 「大学での漢方医学教育におけるeラーニングを用いた反転授業の検証」 地方独立行政法人
神奈川県立産業技術総合研究所
人材育成部
特任研究員
伊藤 亜希